Archive from 6月, 2003
6月 27, 2003 -    No Comments

島の法則

ベストセラーになった「歌う生物学者」本川達雄の「ゾウの時間 ネズミの時間」は、面白い話がたくさん載っているのだが、私が興味を覚えたのは「島の法則」である。これは、ある地域が天変地異で大陸から切り離されると、そこに住む動物たちの大きさは時間と共に平均化する、というものである。すなわち大型の動物は小さくなり、小型の動物は大きくなる。
本川達雄はこれを米国と日本の比較に使っているところがおもしろい。つまり米国には天才的な人間が数多くいる一方で、つり銭を間違えるような店員もいる。一方、日本では天才肌の人は少ないが全体がまずまずのレベルで一様化されている。
こう言う話を聞いていると、多様な世界は進化の方向を向いており、平均化された世界と言うのは進化の袋小路ではないかと思えてくる。全員が、そこそこに優秀なのだが、飛びぬけた天才が出現しない世界である。
今、私が心配しているのは、世界全体で「島の法則」が適用され始めているのではないかということである。こんなことを考えていたら、柳澤桂子の恐ろしい文章に出会った。
「遺伝子(ポリジーン)によって支配される性質は代をかさねて、子孫の数が増えるにつれて,その大部分が元来の祖先の持っていた特徴を失い、平均的になっていく傾向のあることが実験的にも理論的にも証明されている。」

6月 26, 2003 - 音楽    No Comments

名盤

音楽を言葉で表現するのは、自ずと限界があると思いますが、あるCDなり曲なりにほれ込んだ人がそれを褒めた文章は自然とその思いが伝わってきます。
そういう意味でAmazonなどで行っているレビューのシステムは非常に効果があると思います。ただレビューを寄せる人は、レビューが趣味でない限り、非常に満足しているか、非常に不満か、どちらかの場合が多いと思います。まずまずと言った評価を積極的にレビューしようとする人は少ないでしょう。その意味でバイアスがかかっているのですが、だからこそ8人がレビューして全員満点という評価はとても価値があると思います。
実は今日、Amazonを散策していて、プログレということとレビューの評価だけで、ドリーム・シアターの「イメージイズ・アンド・ワーズ」を注文してしまったのです。
それに引き換え、有名人が仕事でやっているCD評の何と空疎なことでしょうか。少し前から購読しているCD評のメルマガのことです。いわく「非常にかっこいい」「最高にかっこいい」なんていう言葉が並びます。それをいったら他に言うべき言葉がないでしょう、と突っ込みたくなるのは私だけではないでしょう。

6月 25, 2003 - モノ    No Comments

UPS

この夏は電力不足が心配されているのは御存知の通りです。そこで心配なのが停電です。仕事部屋には、開発用のマシンと、メールや倉庫に使っているマシンの常時電源が入っている2台があります。特に開発用のマシンは、毎日、倉庫にバックアップしているとはいえ、停電を考えると冷や汗が出ます。TVのニュースでは連日、企業の節電対策や、電力会社の停電時のリハーサルの映像が流れます。
それでついに、というか衝動的に、UPSを2台購入することにしました。過去に一度あったのですが、停電だけでなく、家のブレーカーが落ちる可能性もあります。また停電だけでなく、落雷のサージからも守ってくれます(LANのポートもあるようです)。シャットダウンするだけ無く、「休止状態による作業状態保持」とあるので、元の状態に戻れるのでしょうか?そうであったら、いたれりつくせりなのですが・・・。そこまで調べずに注文してしまうところが衝動的という所以です。
ささやかなリスク管理の実践です。でも考えていくと、ではHDDが壊れたら・・・代替のHDDもしくはPCを用意しておくべきか、RAIDにすべきか等きりがないですね。

6月 24, 2003 - 言葉    No Comments

規則

昨日に引き続き、やる気を引き出す言葉です。今日はノードストロームの有名な規則です。「シンプルパワーの経営」から引用します。
「ノードストローム社のルール 第一ルール:いかなる状況においても自分がベストと思う判断をしてください。これ以外にルールはありません。」
従業員を信頼したシンプルで素晴らしい規則だと思います。一見当たり前のことを言っているようですが、判断する場面になったら、それが本当にベストかどうか自分の頭で考えようと言っています。
マイクロソフトのある幹部は「規則を増やして社員を管理しようとするおろかな企業もある。問題は規則が無ければ働けないような人間を雇っていることにある」と厳しいことを言っています。
そういうわけでノードストロームの規則をはじめて見たときに余計素晴らしいと感じたのでした。

6月 23, 2003 - 言葉    No Comments

メアリーケイ

前にメアリー・ケイ・アッシュの言葉を引用したことがありましたが、先日読んだ「こころのチキンスープ18」(好きで全部読んでいます)で、またまた彼女の勇気付けてくれる言葉を見つけました。
「私の会社のマスコットはマルハナバチです。ずっしりと重い体に小さな羽、空気力学を考えれば飛べるはずがありません。でもマルハナバチはそんなことを知らず、ともかく飛んでしまうのです。」
そんなことでメアリーケイの事を調べ始めたのですが、「アメリカンドリームの軌跡」に簡単な紹介がありました。想像していたような順風満帆な会社ではありませんでしたが、メアリーケイは人をやる気にさせる才能を持ったカリスマだったようです。
残念ながら日本市場からは昨年撤退したようですが、化粧品の開発に動物実験を行わないことに同意した始めての企業だと言うことで、動物好きの私としてはさらに肩入れしたくなりました。

6月 20, 2003 -    No Comments

泥棒猫

またやられた・・・2階にあるフーちゃんの食器がぴかぴかになっています。フーちゃんはこんなにきれいには食べません。
フーちゃんは時々外出します。玄関のドアを少しだけ開けておいて、戻ってこれるようにしてあります。その隙に泥棒猫君が来るのです。最初はフーちゃんのおもちゃがなくなるのでおかしいと思っていました。あるとき隣の部屋で音がするので見に行くと、バネのついた大きいねずみのおもちゃが廊下に置き去りにされていました。さすがに外まで持ち出せなかったようです。もちろんフーちゃんが外出中です。このときの泥棒猫君は後で何回か見かけることになる大きな茶トラで、頭をなでるところまで行きました。
茶トラ君は最近来ないなと思っていたら、今度はフーちゃんのご飯を狙う別の泥棒猫君が登場しました。食器をきれいにしてくれるのはうれしいのですが、病気が心配で、洗剤でよく洗ってからフーちゃんに使います。
フーちゃんの残したご飯は生ごみ処理機で肥料にしていましたから、最近肥料の量が減っています。まあフーちゃんの御近所猫への御挨拶と言うことで大目に見ている今日この頃です。

6月 19, 2003 - 映画・TV    No Comments

2001

昨日はクラークのことを書きましたが、書いているうちに「2001年宇宙の旅」が公開された頃を思い出しました。新潟の片田舎に貼られた当時のポスターは「この目で見る21世紀の世界・・・」とかなんとかストーリーについては何も言っていなかったと思います。中学生だった私は原作を読むまで、最後に生まれるスターチャイルドが、最初のホモ・サピエンスになったのだと疑いませんでした。一緒に映画を見た、ませた友人は「HALが人を殺したのは、あの任務を達成するには人間はあまりに不完全だと感じたからだろう。」とかわかったようなことを言っていました。
HALの設計に技術協力したIBMが腹を立てて、ディスカバリーの内部からIBMの文字が消えたことや、故手塚治虫さんがキューブリックから美術監督の打診を受けたこと等、裏話も楽しいです。
私にとってはNo1の映画です。

6月 18, 2003 - お仕事    No Comments

第3法則

クラークの第3法則は、有名なので知っておられる方も多いと思います。
・高度に発達したテクノロジーは魔法と区別がつかなくなる。
というもので、当時、クラークの法則は第3法則しかないと言われていました。そんなわけでだいぶ前に流行った「マーフィーの法則」に第1法則、第2法則が載っていた時にはびっくりしました。
第1法則:高名な科学者が「それは可能である」と言うとき、彼はたいてい正しい。「それは不可能である」と言うとき、彼はたいてい間違っている。
第2法則:物事の可能性の限界を発見する随一の方法は、限界を超えてみることである。
要は前向きに考えると言うことですね。出来ない理由を考えるのではなく、どうすれば出来るかを考えます。前者はディフェンダーの思考であり、後者はアタッカーの考え方でしょう。
大前研一さんはアタッカーズ・アドバンテージとディフェンダーズ・プロブレムということを言われています。私もいつまでもアタッカーでいたいものです。

6月 17, 2003 - インターネット    No Comments

アリアドネ

アリアドネというWEBサイトがあります。主に学術調査のためのリンクを集めた、カタログのカタログといった趣であり、デザインはシンプルだが内容豊富なサイトです。ちくま新書からアリアドネ著として「調査のためのインターネット」「思考のためのインターネット」も出ているお勧めサイトです。
さてアリアドネですが、彼女はギリシャ神話の登場人物です。ミノス王の王妃だが、ミノス迷宮のミノタウロスを退治するため、迷宮に入るテセーウスに糸球を与えて、迷宮から出られるよう手助けしました。
なるほど。ネットワークの迷宮の案内人というわけですね。
だが実は、アリアドネに、この策を授けたのはダイダロスです。彼は世界で最初にロボットを作った発明家でもあります。(戦闘用だったようです)そもそもミノタウロスの誕生にも彼は関わっているのですが・・・。
そんなわけで、私がサーチエンジンのサイトを作るときには、ダイダロスと命名しようと思っています。(男性だということもあるし・・・)
ところで人工の翼をつけて、ミノス迷宮を脱出し、太陽に近づきすぎて墜落したイカロスは、このダイダロスの息子です。(翼を作ったのはもちろんダイダロス)

6月 16, 2003 - お仕事    No Comments

公私融合

「公私融合」とは日本SOHOセンターの花田啓一氏が提唱している言葉だと思います。「公私混同」とは違い、「公私融合」はSOHOのメリットを強調したものだと解釈しています。
始めてこの言葉を聞いたときに、これだ、と思いました。私にはSOHOのライフスタイルの理想を簡潔に表している言葉である受け取れました。フリーであることの自由と責任、柔軟性と厳しさをたった4文字の中に表しています。
時には「公私融合」のメリットを享受し、時には「公私融合」に振り回されているのが現実ですが、私の中では理想のライフスタイルとして「公私融合」が常にあります。
花田啓一氏の「SOHO新時代が始まった」(岩波アクティブ新書)はダニエル・ピンクの「フリーエージェント社会の到来」(ダイヤモンド社)と並んでフリーで働く人たちを元気付けてくれる必読書であると思います。

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