

「ソフトウェア アーキテクトが知るべき97のこと」
私は、こういったテーマの場合、最新の専門用語をちりばめて、難しそうなことを言っている文章は、ほぼ本質的なことは言っていない、と判断しています。残念ながら本書の多くも、その類でした。姉妹編の「プログラマが知るべき97のこと」はさらにその傾向が強かったです。成功したベンチャーの社長が、たまたま成功したノウハウを語っているみたいな印象を受けました。成功したのは結構、偶然の要素が強いと思うのです。その中にあっても、心にとめるべき言葉はありました。
「あなたのキャリアにとって何よりも大事なのは、 『前のプロジェクトでいい仕事をしてくれた』と思って、あなたを推薦してくれる顧客が山ほどいる状態です。流行りの言語やらパラダイムで、優れたオブジェクトを作ったなんてことよりも何十倍、何百倍も大事なことなのです。」ニティン・ボーワンカー
「設計チームがマッハ 2 から 2.5 というスピードが必要なのはなぜかと空軍に聞いたところ、答えは『戦闘から回避できるようにするため』でした。なんだ、そうだったのか。本当のニーズが明らかになったので、設計チームはその問題に取り組んで、技術的に実現可能な解決策を生み出すことができました。」アイナー・ランドル
「設計は発見的なプロセスです。実装を進めていくと、新しい情報を発見します。その多くは、あらかじめ知ることのできないものです。変化し続ける世界のもとでは設計は継続的で経験的なプロセスになることを受け入れなければなりません。」ピーター・ジラードモス