1月 22, 2011 - 音楽    No Comments

Bill Evans

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たいしてたくさん聴いたわけでもないのだけれど、最近、Bill Evansを流しっぱなしにしていることが多い。オーディオ装置の前で正座して聴くのではなく、常に部屋に流れていて、フラッと入っては聴く、豊穣な香りのする空気のような存在。出会ったのはずいぶん前、ラジオで「Peace Piece」が流れたときだ。やられてしまった。「Peace Piece」が入ったベスト盤を買ってきて、この曲だけを何回も聴いた。これが「Everybody Digs」に入っていることさえ知らなかった。次がいけなかった。世間で評判の高い「Waltz for Debby」を聴いた。さっぱりよさが分からなかった。あの「Peace Piece」の緊張感はどこへいってしまったのか。私は今でも、この名盤のよさが分からない。最近、聴き出したのは、ツイッターで知り合った方の影響である。何枚かアルバムも買った。Wikiで調べもした。今一番気に入っているのは、荒涼としたジャケットの「You Must Believe In Spring」である。背景にある悲劇を別としても、自殺した兄に捧げられた「We Will Meet Again(For Harry)」は、涙無くしては聴けない。だから最初は、このアルバムの最後を飾る「Suicide Is Painless」が悪い冗談のように思えたし、亡くなった人たちへの冒涜に思えた。でも聴き返すうちに考えが変わった。この妙に明るい曲で締めくくったのは、この先、生きていくためにしようがなかったのだ、と。

今日もまたBill Evansを聴く。いつか「Waltz for Debby」のよさが分かる日が来ることを夢みて。

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