1月 15, 2012 - 本 No Comments 梶井基次郎 「冬の日」 何故かツイッターで流れてきた、梶井基次郎の「冬の日」の一節。今の季節にも合っていて、一発で気に入った。情景が目に浮かぶような美しい日本語に飢えているのだと思う。青空文庫で手に入るので早速ダウンロードして読んだ。30ページほどの短編で、物語らしい物語はないのだけれど、(というよりも行間に無数の物語がある)強烈に印象に残る。青空文庫が宝の山に思えてきた。さらに、こういう日本語に美を感じる人が若い人にもいた、ということに少し勇気づけられた。 「冬陽は郵便受のなかへまで射しこむ。路上のどんな小さな石粒も一つ一つ影を持っていて、見ていると、それがみな埃及(エジプト)のピラミッドのような巨大な悲しみを浮かべている。」